【第2回】みんなの敵にされてしまった?お母さんの話
こんにちは、山口健太です。今日も読んでいただき、ありがとうございます。
ここからは、とある悩みを抱えていたお母さんの話です。
そのお母さんは、保育園に通う4歳の女の子の「食べない」問題について悩んでいました。(※「4歳の女の子」といちいち書くのが不便なので、ここでは「みかちゃん(仮名)」とします。
みかちゃん(仮名)は、もともと食べる食材の種類が少なかったと言います。
また、家では普通に食べられる事があっても、たまに外になると食べられなかったり、特に保育園の給食には苦労しているようでした。
ですが、周りのママ友からは、「放っておけば食べられるようになるよ」ですとか、旦那さんからも「俺も小さい頃に苦手な食べ物があったから、別に大丈夫でしょ。」と言われていたそうです。
みかちゃんママも、そう言われた瞬間は「大丈夫かも」と思えたと言いますが、あまりにも食が進まない事も多く、その度に「本当に大丈夫なんだろうか」と不安になっていたと言います。
そんなある日、保育園のお迎えにいった時に、保育士さんからキツい一言。
「みかんちゃん、全然食べないですけど、家での食育ってちゃんとやっていますか?」
みかちゃんママ的には、色々と工夫をしても食べない上でだったので、「(十分にちゃんとやっているのに!)と、ついカチンときてしまい、このような形で言い返してしまったと言います。
「じゃあ、どうすればいいか教えてください!」
その保育士さんは、
「嫌いなものでも、ちゃんと食べさせるようにしてください」
と、一言。
当然、そんなことはもう十分やっているし、
「(嫌いなものも食べてほしいけど、食べてくれないから困ってるんだ!そもそも家では食べる事もあるけど、給食になると食べる事が少ないというのは、そちらに責任もあるのでは!?)」
…などと、色々と言い返したくなったと言いますが、これ以上はエネルギーの無駄遣いになると思いやめたそうです。
そんなタイミングで、たまたま私をインスタで見つけたと言います。
実はそこから2ヶ月くらいで、ママは元気になり、みかちゃんもたまに食べれない日もあるそうですが、基本的には給食を完食できるほどまでに回復しました。
ですが、最初の印象としては「誰に相談しても具体的な回答を得られない…」という感じで、お母さんは大変孤独を感じていたように見えました。
実際、「どこに相談すればいいの?」、「誰にこの悩みを共有すれば分かってくれるの?」と、路頭に迷っていたと言います。
ちなみに、この話を聞いて私が思ったのは、
・「給食で食べられないのは、きっと何かしらの心理的な不安要素があるからだろうな〜」という事。
・お母さんが精神的にかなり疲労困憊していたので、「みかちゃんが食べないことに対してどうこうするより、まずお母さんのメンタルアップが必要だな〜」という事。
でした。
ここで、普通の食育家のアドバイスであれば、「○○が嫌いなのであれば、食感が多分苦手だと思うので、こういった調理法をやってみてください」という事だと思います。
ですが、それってお母さんのやる事をさらに増やしているので、お母さんの元気が無い時にはとてもとても、ハードルが高い事では無いかと思うのです。(しかも、みかちゃんママの場合、そういった工夫は一通りやっていたと思います。)
しかも、「こうしたら食べられるかも!」という期待の気持ちを裏切られると、さらにショックを受けてしまってさらに疲れてしまうという場合もあると思います。
なので、私がアドバイスをした事は主に3つです。
①今まで「みかちゃんが食べてくれるかどうか?」を最優先で料理を作っていたものを、「自分が食べたいもの、作りたいもの」を最優先で作るようにする。(自分中心にしちゃっていい)意図:みかちゃんが食べてくれるかどうかで作って、もし食べないてくれなった場合、期待を大きく裏切られ疲れるから。また、自分が好きで作ったんだから、食べられなくても仕方がないと、良い意味での諦めにもつながるから。さらに、自分が作りたいものを料理を作っている方が、気持ち的にごきげんになれる可能性が高いから。
②みかちゃんが食べないことを考えるのは、1日のうち「晩ご飯時間の1分間くらい」にしてもらう。
意図:まず、どんなに声かけなどを工夫したとしても、いきなりモリモリ食べられるようになるわけではありません。人は苦手な事に挑戦するときは、前向きな気持ちが必要です。なので、そのタイミングを「焦らずにじっくりと待つ」という意味でも、考えすぎもよくない場合があります。
③「今日は給食食べれた?」と聞かないようにする。
意図:「給食食べれた?」という問いが、「給食を食べないとダメだよ」というメッセージと伝わってしまうかもしれないから。給食が食べられないのはメンタル的な問題だと感じたので、なるべく給食時間にプレッシャーがかからないように。
(もちろん、声かけとかの工夫も最低限はしっかりとお伝えしました。それに関しては初回にお配りした『電子書籍』を参照してください。)
もし、今現在似たような境遇で悩んでいるお母さんもいるかもしれないので、この話をシェアしました。
何か、気づきになることはありましたか?
追記.
ちなみにこの話の給食の件ですが、お母さんに「多分、心理的なもの」という事を指摘し、後から冷静になって保育士さんと話をしてもらったところ、衝撃の事実が…。
みかちゃんが2歳半くらいの時にあまりに食べない日があったので、その保育士さんとは別の先生が、悪気は無く「時間ないから!」と言って、食べ物を口に無理やり詰め込んだ事があったと、またその別の先生から聞いたとのことでした。
その保育士さんは、「家での食育ってちゃんとやっていますか?」と以前言った事を覚えていたようで、その件については謝罪をされて、お母さんも「これ以上言い合いをしたところで何か進展があるわけじゃないから」という大人の対応で、「今後は気をつけてください、と言ったぐらいにした」との事ですが、、、あなたはどう感じますか?
私としては、「もっと”食べない子への対応”を、教育現場にお伝えしなければならないな〜」と、改めて感じた一件でした。
ちなみに、給食は「食べる席をいちばん仲の良い子と一緒の席」にしてもらったところ、少しずつ食べられるようになっていったそうですよ!
では、最後までお読みいただきありがとうございました。
何か感想などがありましたら、こちらにメッセージをくださいね!