【第6回】どうする?給食が苦手な子ども

こんばんは、山口健太です。


いよいよ特別レッスンも、
あと今日を残して2回となります!


ですから今日は、
食べない子の共通の悩みでもある

「給食が苦手」

について扱っていきましょう。


今回も、
先生側と保護者側の目線の、
両方から考えることによって
深めていきましょう。


後半には、

給食で食べられるものを増やすために
ご家庭で今日からすぐにできる工夫


も、紹介しますね!!




では、
さっそくいきましょう。

1番大切なこと

「給食が嫌だから保育園・学校に行きたくない!」

実際にそういう理由から
保育園や学校に
行かなくなってしまった子の
相談を受けることもよくあるのですが、


それくらい子どもにとっては、
「給食の時間」というのは、
毎日の保育や学校での生活に、
大きな影響を及ぼすと思います。



さて。

まずは先生目線で、
もし「給食が苦手な子」が、クラスにいたら・・・


1番大切なことがあります。



それは、
とにかくその子に対して、

・安心できる環境を作ってあげること

です。


もう少し、
具体的にかつ簡潔にすると、

「無理して食べなくても大丈夫だよ」

と、
しっかりと声かけしてあげること、
これがとっても大切になります。



一方で、
ここでよく聞く葛藤が、

「この子だけ食べないことを許したら、他の子も食べないと言い出すのでは?」

というものです。



しかし、

それに対してはしっかりと、
他の子どもたちに対して、

「いろんな食の選択肢があっていいんだよ」

と、伝えるべきなのです。

よくある食育の間違い

そもそも食育というのは、

”様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し健全な食生活を実践することができるようにする人間を育てる”

ことだとされています。

(「食育基本法」より引用)



少し言い換えると、
残さず食べるだけではなくて、

・「食べない選択ができるようになることも大切な1つの力である」

という認識を持って指導することが大切なのです。


例えば、
アレルギーなどはイメージしやすいですが、

体との相性が悪くて、
「これを食べると気持ち悪くなる」
などがある人は、それはなるべく避けたほうがいいわけです。

(私も、生の大葉やバジルなどを食べると、よくお腹を壊しますので、なるべく仕事前などは食べないようにしています)



また、
最近だとヴィーガン思想の人もいたりとか、

「食の多様性」

が進んでいる時代です。


ですから、

「食べない選択」

というのが尊重されている時代です。



保育園などであれば、
『からあげビーチ』(文響社)という絵本も
食の多様性について伝えているので、
みんなで読むのもオススメですよ!



さて。

給食が苦手・苦痛な子にとって、
給食の時間は本当に苦しいことであり、

「残してもいいよ」とか、
「無理して食べなくても大丈夫だよ」


というのは、
どんなスパイスよりも、
安心して食が進む材料になります。



こう考えてみてください。


ここに、
人前で話すことが苦手な人がいます。


その人に対して、

「しっかりと、分かりやすく、ハキハキと話してね!」

と、声かけをしたとします。


どうでしょう?

むしろ緊張してしまい、
うまく話せないと思いませんか?




給食時間で昔はよく
大切にされていたフレーズ、
(地域によってはまだあるかもしれませんが)

「残さず食べましょう!」

は、それと全く同じなんです。




健全な食欲は、

「空腹」と「リラックス」

が大切という話でしたが、

「どうしたら安心して給食時間を過ごせるか」

を、考えることによって、
食べない子も食べられるようになります。



そのための1つの例が、

「無理しなくても大丈夫だよ」

という言葉かけなのです。



もし、保護者の立場の場合で、
クラス担任の先生が完食を求めているケースでも、


”先生も分からないから良かれと思ってやってしまっている”


ということがあります。



ですから、
伝えるようにしましょう!


その際に「きゅうけん」などが、
役立てばと思っていますので、
よければご自由に使ってくださいね。

(新聞などのマスメディアでも紹介されています!)

食べられるものを増やす工夫

さて、
以前とあるお母さんが、

「うちの娘は少しずつ、
 給食で食べられるものが増えてきました〜!」


と言ってくれていたのですが、

そのお母さんがお家で実際にやっていた
簡単にできて効果の高い取り組みをシェアしようと思います^^



そのお母さんも、
「子どもが食べないこと」
で、とても悩んでいました。

そんな時に、
私のインスタでの発信や書籍を読んで、
お子さんの気持ちが理解できるようになったと言います。



そこで、

”お家でとある関わり方の工夫”

をしたところ、
給食も少しずつ食べられることが
増えてきたといいます…!



それが、
どんな工夫をしたかというと、
電子書籍でも少し紹介しましたが、

「家にある献立表に○をつける」

という方法です!!


具体的には、
最初はお母さんが娘さんに給食の様子を聞いて、

・食べられたもの、美味しかったもの

のメニューに○をつけていったそうです。




そうすると、
今まではお母さんが付けていたのを、

「自分でやりたい!」

と言いだすようになり、
自分でやるようになり…。



最初は、

・牛乳
・ごはん(白米)

にしか○は付かなかったそうですが、

時間をかけてやっていたところ、
だんだん○がつくもの増えていったり、
おかわりするものも出てきたそうです!




これを聞いて、

「お母さんの関わり方、すごいな〜」

と思ったと同時に、
人間の脳の性質的にも、
とても良いやり方だなと思いました!



似たような取り組みに、

「完食できたらシールをプレゼント!」

みたいなのがあったりしますが、


あれって裏を返せば、

「完食できなかったらシールを貰えない」

わけで、
むしろ自己肯定感が下がることも考えられます。



しかし、

「食べられたもの、美味しかったものに○をつける」

とかだったら、
1つくらいは丸をつけることが出来ると思います^^



また、毎日続けられる簡単な
取り組みというのも良いですし、
○が増えるとやっぱり嬉しいですしね!



ですからシールを使うのであれば、
「食べられた食材のシールをあげる」
とかは、加算形式で良いと思います^^

(子ども目線では「ポケモン図鑑」を埋める感覚に近いかな?)


そして、
成長を子どもと一緒になって喜ぶ!



人っていうのはそもそも、
意識を向けたところが大きくなるんです。




有名な一説。


「空を飛ぶブタを想像しないでください」

という文章を読むと、
想像してしまうのが人間です。


つまり、
意識を向けたところが、
拡大していくのが人間ですので、

よくお伝えしていることですが、
「1口だけ食べた」という時には、

×「なんで全部食べないの!」ではなく、
○「口をつけられたね!!」って言った方が良いわけです。




こういったことは、
時間をかけて少しずつ
やっていくことが大切です^^



「今日食べることを期待しない」

で、関わりのなかで、
「楽しい」を育んでいってくださいね!





では、
次回で特別レッスンは、
最終回ということで、

改めて大切なことについて
お伝えできればと思います^^



最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

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〜「楽しく食べる」が「社会の幸せ」を作る〜

発行者:
山口健太@食べられない子専門の食育カウンセラー


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