「子どもがごはん飲み込めない」を解決する方法。

子供がごはんを食べない
この記事を書いている人
山口健太
食べない子専門の食育カウンセラー

「人前での食事ができない」という会食恐怖症の当事者経験から、カウンセラーとして年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、500人を超える子どもたちと交流し「食べない子への食べさせ方」を研究。

多くの食育に悩む保護者や教育者から相談が届くようになる。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉(辰巳出版)』などがある。

私のところに届く相談として「子どもがごはんをずっと口に含んだままで、飲み込めないようなのですが・・・」というものがあります。


この飲み込めない状態のことを、一般的には「嚥下障害(えんげしょうがい)」と言いますが、考えられるケースというのは大きく分けて2パターン。

それは、

  1. 噛む力と飲み込む力の発達に問題があるケース
  2. 心理的に不安があるというケース

です。


そして、私のところに届く相談の多くは「2.心理的に不安があるケース」である場合がほとんどです。

特に、離乳食期間を終えてしばらく経ってからや、小学校以上の場合は「2.心理的に不安があるケース」が99%と言っても良いでしょう。


「嚥下障害」と聞くと、「病院に行かなければならないのかな?」と感じる人も多いかもしれませんが、それは別に必要ありませんし、病院に行ったからといって解決する問題でもありません。


なのでこの記事では、この部分について掘り下げて、解決のヒントをお伝えしていきます。

「心理的な不安からくる」とは?

子どもの嚥下障害が長く続くという場合、大半は心理的な不安からくる事が殆どです。

ここで、心理的な不安と聞くと「ストレス」というように捉える人もいるかもしれません。

たしかにそれは間違っているわけではないのですが、それだけでは問題がボヤっとしすぎてしまうので、もう少し深堀していきましょう。


取り上げたいのが「食事におけるトラウマ的体験」です。

具体的に言うと、
  • 喉に食べ物を詰まらせてしまった事があり、飲み込むという(嚥下)行為が怖い
  • 吐いてしまった事がトラウマになり、食べたら吐くんじゃないか?と考えてしまう(嘔吐恐怖)
  • 嫌いな食べ物を残したら怒られた事があり、「また怒られるんじゃないか?」という不安
など。

こういうものを「条件付け」と言ったりします。

「梅干しを想像するだけで、口の唾液の分泌量が増える」ように、食事におけるトラウマ的体験をしたことで、「また喉に詰まらせるかも?」「食べたら吐くのでは?」「また怒られるかも?」みたいな条件付けがされてしまうのです。


それがいわゆる”ストレス”であり、”心理的な不安”からくる、嚥下障害となります。


それでは、どのように解決していけば良いのでしょうか?

飲み込めない問題を解決するには?

「飲み込めない子」は、「飲み込みたくないから飲み込んでいない」のではなく、「飲み込みたいけど飲み込めない(体が言う事をきかずに困っている)」のです。

なので当然、それを責めたところで解決しませんし、むしろ逆効果です。

大切なのは食卓が「安心できる環境」であり「楽しめる環境」である事です。

その為に大人ができるコミュニケーションの4つのポイントをお伝えします。

1.怒るの厳禁!楽しく食べてもらう

私は家庭での食事というものは、2つの目的があると思っています。

それは、
1.心の栄養を満たす事
2.体の栄養を満たす事

です。

本来、家庭での食事というのは楽しく食べて、心も一緒に満たされるべきものなのに、体の栄養を満たすためだけが目的になってしまっていませんか?

たとえば「残しちゃだめでしょ!」と怒るのは簡単ですが、このブログでは何度もお伝えしているとおりそれは長い目で見て、逆効果です。

「全部残さず食べてもらう事」よりも「お父さん、お母さんとごはんを食べるのは楽しいな!」と、思ってもらう事を優先しましょう。

2.出来ているところを高く評価する

そしてこれがかなり大切なので、ぜひメモして欲しいのですが、それは「出来ているところに着目して、そこについて高く評価する」という心構えです。

なぜなら人というのは殆どの場合、出来ていないところを指摘されているよりも、出来ているところを評価されたほうが、気持ちが良いからです。


たとえば、A子ちゃんが苦手なにんじんスープを半分食べれたとします。

その時に、「半分しか食べてないの?」と言われた場合と、「苦手なのに半分も食べられたね!」と言われた場合。どちらが「次もまた頑張って食べよう!」と思うか?当然後者なわけです。


なので、「出来ているところを高く評価する」というのは、必ず意識してください。当然、食卓以外の場面でもそうですね。

3.無理やり禁止、「もう一口」禁止

一口だけでも食べて欲しいのであれば、その食べ物をできる限り小さくして、「この一口だけ食べてみない?」と声をかけ、「それくらいだったらたべる」という子供の意思を確認してから、食べさせてあげましょう。

それからもう一つ言うと、「一口だけ」という風な約束をして食べられた後に、「じゃあもう一口いってみよう!」なども絶対にやめてください。子供はその大人を信頼できなくなるので、次回以降も「また、そういうやり口なんでしょ」と思われ、言う事すらもだんだん聞かなくなっていきます。

これって、「今日終わったら明日休みだから仕事頑張ろう!」と言われ、頑張った後に「よし頑張ったね!実は明日休みっていってたけど、明日も仕事あるから頑張ろう!」と言われているようなものです。絶望ですよね。

4.いつまでも「飲み込めない」が続くわけではない。

そして、「過剰に不安にならない」という事も大切です。


まず、安心してほしい事として、いつまでも「飲み込めない事」が続くわけではありません。


逆に、心配すればするほど、その期間が長くなると思ってくれても良いです。


また、あなたも子どもの頃に食べれなかったものが、何かのきっかけで食べられるようになった事があるはずです。

そのように、子どもはほんのきっかけで食へのイメージが変わります。

過剰に心配しすぎないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

「飲み込めず吐き出しちゃう!」という場合は、こちらの記事を読んでください。

子どもが食べ物を吐き出す7つの原因と対策

2020.01.07

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あなたの悩みが晴れて、明るく軽く暖かい気持ちになりますように。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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