私のところに届く相談として「子どもがごはんをずっと口に含んだままで、飲み込めないようなのですが・・・」というものがあります。
この飲み込めない状態のことを、一般的には「嚥下障害(えんげしょうがい)」と言いますが、考えられるケースというのは大きく分けて2パターン。
それは、
です。
そして、私のところに届く相談の多くは「2.心理的に不安があるケース」である場合がほとんどです。
特に、離乳食期間を終えてしばらく経ってからや、小学校以上の場合は「2.心理的に不安があるケース」が99%と言っても良いでしょう。
「嚥下障害」と聞くと、「病院に行かなければならないのかな?」と感じる人も多いかもしれませんが、それは別に必要ありませんし、病院に行ったからといって解決する問題でもありません。
なのでこの記事では、この部分について掘り下げて、解決のヒントをお伝えしていきます。
目次
「心理的な不安からくる」とは?
子どもの嚥下障害が長く続くという場合、大半は心理的な不安からくる事が殆どです。ここで、心理的な不安と聞くと「ストレス」というように捉える人もいるかもしれません。
たしかにそれは間違っているわけではないのですが、それだけでは問題がボヤっとしすぎてしまうので、もう少し深堀していきましょう。
取り上げたいのが「食事におけるトラウマ的体験」です。
具体的に言うと、
- 喉に食べ物を詰まらせてしまった事があり、飲み込むという(嚥下)行為が怖い
- 吐いてしまった事がトラウマになり、食べたら吐くんじゃないか?と考えてしまう(嘔吐恐怖)
- 嫌いな食べ物を残したら怒られた事があり、「また怒られるんじゃないか?」という不安
こういうものを「条件付け」と言ったりします。
「梅干しを想像するだけで、口の唾液の分泌量が増える」ように、食事におけるトラウマ的体験をしたことで、「また喉に詰まらせるかも?」「食べたら吐くのでは?」「また怒られるかも?」みたいな条件付けがされてしまうのです。
それがいわゆる”ストレス”であり、”心理的な不安”からくる、嚥下障害となります。
それでは、どのように解決していけば良いのでしょうか?
飲み込めない問題を解決するには?
「飲み込めない子」は、「飲み込みたくないから飲み込んでいない」のではなく、「飲み込みたいけど飲み込めない(体が言う事をきかずに困っている)」のです。なので当然、それを責めたところで解決しませんし、むしろ逆効果です。
大切なのは食卓が「安心できる環境」であり「楽しめる環境」である事です。
その為に大人ができるコミュニケーションの4つのポイントをお伝えします。
1.怒るの厳禁!楽しく食べてもらう
私は家庭での食事というものは、2つの目的があると思っています。それは、
1.心の栄養を満たす事
2.体の栄養を満たす事
です。
本来、家庭での食事というのは楽しく食べて、心も一緒に満たされるべきものなのに、体の栄養を満たすためだけが目的になってしまっていませんか?
たとえば「残しちゃだめでしょ!」と怒るのは簡単ですが、このブログでは何度もお伝えしているとおりそれは長い目で見て、逆効果です。
「全部残さず食べてもらう事」よりも「お父さん、お母さんとごはんを食べるのは楽しいな!」と、思ってもらう事を優先しましょう。
2.出来ているところを高く評価する
そしてこれがかなり大切なので、ぜひメモして欲しいのですが、それは「出来ているところに着目して、そこについて高く評価する」という心構えです。なぜなら人というのは殆どの場合、出来ていないところを指摘されているよりも、出来ているところを評価されたほうが、気持ちが良いからです。
たとえば、A子ちゃんが苦手なにんじんスープを半分食べれたとします。
その時に、「半分しか食べてないの?」と言われた場合と、「苦手なのに半分も食べられたね!」と言われた場合。どちらが「次もまた頑張って食べよう!」と思うか?当然後者なわけです。
なので、「出来ているところを高く評価する」というのは、必ず意識してください。当然、食卓以外の場面でもそうですね。
3.無理やり禁止、「もう一口」禁止
一口だけでも食べて欲しいのであれば、その食べ物をできる限り小さくして、「この一口だけ食べてみない?」と声をかけ、「それくらいだったらたべる」という子供の意思を確認してから、食べさせてあげましょう。それからもう一つ言うと、「一口だけ」という風な約束をして食べられた後に、「じゃあもう一口いってみよう!」なども絶対にやめてください。子供はその大人を信頼できなくなるので、次回以降も「また、そういうやり口なんでしょ」と思われ、言う事すらもだんだん聞かなくなっていきます。
これって、「今日終わったら明日休みだから仕事頑張ろう!」と言われ、頑張った後に「よし頑張ったね!実は明日休みっていってたけど、明日も仕事あるから頑張ろう!」と言われているようなものです。絶望ですよね。
4.いつまでも「飲み込めない」が続くわけではない。
そして、「過剰に不安にならない」という事も大切です。まず、安心してほしい事として、いつまでも「飲み込めない事」が続くわけではありません。
逆に、心配すればするほど、その期間が長くなると思ってくれても良いです。
また、あなたも子どもの頃に食べれなかったものが、何かのきっかけで食べられるようになった事があるはずです。
そのように、子どもはほんのきっかけで食へのイメージが変わります。
過剰に心配しすぎないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?「飲み込めず吐き出しちゃう!」という場合は、こちらの記事を読んでください。
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あなたの悩みが晴れて、明るく軽く暖かい気持ちになりますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。