給食が嫌いで登校拒否になったらどうすべきか?3つの要因について

子供がごはんを食べない
この記事を書いている人
山口健太
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会理事長/心理カウンセラー/食事指導コンサルタント
会食恐怖症の当事者経験から、カウンセラーとして年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、半年間で400人を超える子どもたちと交流し食事指導を研究。

また、日本全国の学校法人の管理者以上の方が購読している「週刊教育資料(教育公論社)」にて、「これからの学校給食における食事指導について」のコラム記事の連載経験があり、給食ハラスメントに関する報道について、専門家として複数回取材を受けている。

著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』などがある。

よく親御さんから届く相談に「うちの子が給食を嫌がり不登校(登校拒否)になっているのですが、どうすれば良いですか?」というものがあります。

今日はこの問題について取り上げつつ、その解決のヒントを書いていきたいと思います。

解決の突破口を見つける

解決の為にまず前提として大切になるのは「給食が嫌いで不登校・登校拒否」というケースには、様々な要因が絡み合っているケースが多いという事です。

そして、その主となっている要因を突き止め、そこを軸足に解決していくという事が大切になっていきます。


じゃあ、その要因とは何なのか?

実際は色々あるのですが、ここでは分かりやすく大きく3つに分けて書いていきましょう。

その1.先生の指導に問題があり精神的に追い込まれているケース

こちらはイメージしやすいのではないかと思いますが、学校での担任の先生等からの給食指導に問題があるケースです。


具体的に言うと、過剰な完食指導や強要によって、残さず食べないと何かしらのプレッシャーを掛けられるというようなものですね。

極端な例では、他のみんなの前で強く怒られたりですとか、居残りでいつまで経っても食べさせるなどもあるでしょう。


しかし、子どもは全員が全員、プレッシャーを掛けると食べられるようになるわけではありません。

食べるのが遅い子どもにはどう対応すべきか?【4つのタイプ分け】」で解説しているとおり、プレッシャーを掛けられる事によって、胃袋が収縮したり、食欲がなくなる子もいるのです。


こういったケースで悩まれている場合は「そういう指導はしないで下さい」などと、学校や先生としっかりコミュニケーションを取る事が大切となりますが「学校側が保護者の声をなかなか受け入れようとしない!」というケースもあるでしょう。


そういう場合は、いかにして解決したら良いのか?


それを以前、お世話になっている東京都内の小学校の校長先生に質問してみたところ「しっかりとした情報源を元に学校に問い合わせる事が大切。そうしたら学校はトラブルを防ぐ為にも動かざるを得なくなる。」というようにおっしゃっていました。


つまり、ただ先生にを言うだけでは「一個人のクレーム(モンスターペアレンツか?)」と、誤解されてしまう可能性もあるので、何か報道や論文などを用意した上で「社会的にも、こういう風な指導をすることで、こういう問題が起こっている。だから、指導を改めた方が学校のためにもなる。」というような提案をする事が大切だという事ですね。

その2.会食恐怖や嘔吐恐怖があるケース

また、既に会食恐怖症嘔吐恐怖症があり、給食の場面が苦手という事もあるでしょう。


会食恐怖症というのは、社交不安症の症例の一つとされているもので、人前でご飯を食べる事(会食行為)への不安や恐怖が大きく、実際にその場面では何らかの症状が出てしまいます。

私も当事者経験がありますが、具体的には、吐き気、めまい、胃痛、動悸、嚥下障害(食べ物が飲み込めない)、口の乾き、体(手足)の震え、発汗、顔面蒼白、呑気(空気を飲み込んお腹が張る)、緘黙(黙り込んでしまう)などが主なところです。(症状の出方や程度は人によってさまざまです。)


その会食恐怖症のきっかけとして、さきほどあげた学校給食などにおける完食指導というのも挙げられます。


私が代表を務める、一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会では、会食恐怖症の当事者の方向けに『あなたが会食恐怖症を発症したきっかけに、学校や家庭における「完食指導」の影響があると考えていますか?』というアンケートを取ったことがあります。


結果は回答者384人中、
・はい=240人(62.50%)
・いいえ=75人(19.53%)
・分からない=69人(17.96%)
というものでした。


また、嘔吐恐怖症から会食恐怖症になるケースなどもあり、それで給食場面が耐えられないというケースもあります。


嘔吐恐怖症というのは「気持ち悪くて吐いてしまうかも」「本当に吐いてしまったらどうしよう」などの嘔吐への恐怖感が、日常の健全な生活を脅かすくらいのレベルで感じる状態です。


そうすると、会食機会などを避けるようになるなどの「安全確保行動」とるようになり、そういった行動をとればとるほど、さらに次の機会での恐怖感が高まるというような負のループに嵌りがちです。


そういうと「じゃあ、子どもになるべくそういう場面を経験させなければ!」と焦ちがちになりますが、実際はそれができないから困っているというような状態です。


なのでそういったケースの場合は、とにかく家を安心できる環境にしてあげる事が大切です。

家が安心して居心地の良い環境だと、子どもの方から「前向きな意欲」が湧きます。


「じゃあ、もっと具体的に何をしたら良いのか?」という話ですが、子どもに対する言葉かけにも色々と方法がありますが、私が一番オススメしているのは「(たとえ家で食べなくても)手作りのごはんを作り続けること」です。

なぜなら「食べなくてもごはんが出てくる」というのは「あなたはありのままで良い」という、無言の愛情表現のメッセージになるからです。


ですが、ここで「食べてくれないかな」という期待の気持ちや「なんで食べないのよ!」というイライラの気持ちを持ってしまうと、逆効果なので注意しましょう。

(ちなみに、親がそういう気持ちでごはんを作っていると、子どもの傾向として、家でのごはんが嫌いになり、外食や市販品を好むようになりがちです。それは、別に食べなくてもそこまで怒られなかったり、いつも味が同じなので不安要素が少ないからです。)


会食恐怖症などについてもっと詳しく知りたい方は、著書『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』を参考にして頂ければ幸いです。

その3.友人関係など給食以外の別の問題があるケース

また、私は、給食や食べる事の以外にも目を向けて欲しいと思っています。

極端な事を言えば「いじめを受けていないか?」とかもそうですが、それ以外にも「友人関係がうまくいっていない」などの別の問題がないか?という視点も大切です。


どういうことかというと、

1.「給食以外の別の理由があって学校に行きたくない」

2.「でも、それは親に言いづらい理由だ」

3.「じゃあ、給食が嫌という事を理由にしよう」

というケースも十分に考えられるからです。


親としては「別の問題があるのかも・・・」と思うと、目を背けたくなるかもしれませんし、別に自分を責める必要は全くないのですが、そもそも殆どの子どもは、全てを親に正直に話すわけではありません。

実際あなたも、自分の子ども時代、全てを親に100%正直に言っていたわけではないと思います。


子どもが「親を心配させたくないから」と言って、真実を隠したりなどするのは十分に考えられますので、こういうケースがもしかしたらあるかもしれないという仮定をして、よくよく見てあげることが大切になります。


以上、大きく分けて3つ挙げました。

色々な要因が複雑に絡み合っているケースも多いのですが、だいたいこの3つの切り口から要因を突き止めると良いでしょう。

登校拒否の要因を突き止めるコツとは?

そして、登校拒否の要因を突き止めるコツとしては、言葉よりも行動をみるという事です。


たとえば「本当は学校に行きたいんだけど、給食が食べられない行けない〜」と、泣きじゃくるお子さんもいるかもしれません。

もちろん、本当にそういう場合もありますが、こういう場合のお子さんの深層心理として「学校に行きたくないと言うと、親に怒られるかもしれないから」という理由で「行きなくないけど、行きたいと一応言っている」という場合もあります。


これは普段から「こういう事をしたら良い子だけど、こういう事をしたらダメな子」という、条件付きの愛情で接していると、そういう考えを持つようになったりします。

また、夫婦仲が悪いなど家庭環境に問題があり「良い子でなければいけない」と考えがちな子にもよくあります。
(そういう子は「〜したい!」という形の自己主張が少なかったりとか、普段からなるべく失敗した姿を見せないようにしたりとか、挑戦意欲があまりなかったり、言われた事に対しては頑張り屋さんだったりなどの傾向があります。)


なので、言葉ではなく行動を見た方が、真実は突き止めやすいです。


とはいえ仮に真実が分かっても、お子さんを責めて解決する問題ではありません。一番は「どんなあなたでも大丈夫(存在しているだけで価値がある)」、「未来は絶対に大丈夫」と信じる事が大切です。


もちろん、そう言ったからといって、すぐに実践できるわけでもないですが、親の不安やイライラというのは子どもに必ず影響します。

なので、結局は親自身が毎日を幸せに過ごすことが一番大切なのです。その幸せで前向きなオーラが子どもにうつったときに、問題が解決していきます。

最後に

いかがでしたか?


この前お子さんが、不登校・登校拒否になった保護者の方が「親として失敗の烙印を押されたような気がする・・・」と、大変落ち込んでいました。


すごく気持ちは分かりますが、子どもは親の優秀さを証明するための存在ではなく、1人の人として幸せに生きるために存在しているのだと私は思います。

親の役目は、あくまでそのサポートをしてあげる事や、お子さん自身の力を伸ばしてあげる事です。


また、別の方は「娘が不登校になった事をきっかけに、私自身が色々と勉強するようになり、生き方が変わったんです!」とも言っていました。


同じ現実でも、どう捉えるかはその人次第であり、その後の未来も変わっていくのではないかと思いました。


また「子供の少食は、親の過剰な心配やイライラが原因にもなる?」の記事もオススメなので読んでみてください。


それでは、ありがとうございました。

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