「子供がご飯を食べないので作りたくない」という悩みは危険信号?

子供がごはんを食べない
この記事を書いている人
山口健太
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会理事長/心理カウンセラー/食事指導コンサルタント
会食恐怖症の当事者経験から、カウンセラーとして年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、半年間で400人を超える子どもたちと交流し食事指導を研究。

また、日本全国の学校法人の管理者以上の方が購読している「週刊教育資料(教育公論社)」にて、「これからの学校給食における食事指導について」のコラム記事の連載経験があり、給食ハラスメントに関する報道について、専門家として複数回取材を受けている。

著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』などがある。

私が相談を受けてきた中でよくある悩みが、「子供がご飯を食べないので、作る気力が湧きません。食べてくれないなら作らない方が有り難みなどが分かって、食べれるようになるのかなとも思うのですが、どうなのでしょうか・・・?」というものです。

そして別に脅したいわけではないのですが、事実としてこれは色んな意味で「危険信号」です。

なので今回の記事では、この悩みへの回答を踏まえた上で、子供がご飯をモリモリ食べられるようになる方法などをお伝えしていきます。

1.「子供がご飯を食べないので作りたくない」が危険な理由

まず、単刀直入にお伝えすると、「子供がごはんを食べないから、ごはんを作らない」というのは一番やってはいけない間違った対策となります。

実際私が、「子供がご飯を食べません。どうすればいいですか?」という相談に対して、「これだけは絶対にやり続けてください!」と強く言う事があります。それが「食べなくても良いから、ごはんは作り続けてください!」という事なのです。

そして、実際にそれを愚直に取り組んでくれた親子は、多少時間は掛かれども子供の食欲は回復していき、他にも気性の荒さがおさまったり、自分のやりたい事を活発に取り組んだり、学校や部活での成績が上がったりなど、ウソのような本当の食欲の改善以上の目覚ましい変化が見られます。


一方、親がご飯を作るのをやめてしまった場合。子供さんの食欲が回復していくのはより難しくなります。

ではなぜ、お母さん(あるいはお父さん)が作ったご飯には、そのような力があるのでしょうか?

2.ごはんを作り続ける事=「あなたを見放さない」の愛情表現

そもそも子供の食欲がない状態が続いているのは、日頃のストレスや緊張などが原因で自律神経が休まっていないからです。

つまり、お子さんも毎日がけっこういっぱいいっぱいな状態の可能性が高いのです。


そんな時に脅しのように「食べないなら、作らないわよ」という態度を取ったらどうなるか?

当然、さらに家が身体の休まる状態ではなくなり、緊張もほぐれず食欲が湧かなくなります。

また、化学調味料などが多く含まれたコンビニ食が多くなれば、幸せホルモンを出している腸の動きが鈍くなり、もっと身体は緊張していきます。つまりは、負のループという事です。


そして、仮にご飯を食べないとしても、作り続けるということは非言語の愛情表現のメッセージとなります。

具体的に言語化すると、「あなたがどんなに悪い状態でも、私はあなたを見放すことは絶対にありません」というメッセージです。

つまり、手作りのごはんというのは、仮に食べてくれなかったとしても、作って食卓に並べるだけでも効果があるのです。心の栄養が満たされていくわけですね。


そして、その積み重ねの結果、子供にとって家が安心基地となり、身体の緊張がほぐれてリラックスし、ようやく食欲が湧いてきて元気になっていくのです。

3.大切なのは、お母さん(お父さん)自身が元気でいること

だから大切になっていくのが、毎日のごはんを作る「お母さん(お父さん)自身が元気でいること」です。

自分が元気でなければ、ごはんを作る気力が湧きませんね。

また、特にお母さんのエネルギーが枯渇すると、それは家族全体へと広がっていきます。

私が実際に相談に乗った例でも…
1.長男が給食が原因で不登校になってしまった。
2.そこでお母さんが育児に自信がなくなり鬱になってしまった。
3.伝染するかのように次男の体調が悪くなり不登校になってしまった。
というお母さんの相談に乗った事がありました。


中には「そんなケースがあるのか!」という風に感じる人もいるませんが、実はこのような伝染はよくあるパターンです。

逆を言えば、お母さん自身が元気でいれば、その高いエネルギーも家族へと伝染していきます。

だから、子供に元気になって欲しいと思ったら、まずは親自身が元気でいる事を意識してください。

4.完璧ではなく幸せな親を目指す

じゃあ、どうすれば親として元気を保てるのか?

ここでは2つだけアドバイスをすると、
「完璧な親ではなく、幸せな親を目指す事」
「子供に過度な期待をしすぎない事」

この2つが重要です。


まず、子供は何でもできる完璧な親を求めていません。

それよりも、多少できなかったり、苦手な事があっても、いつもニコニコして機嫌の良い親を欲しています。

だから、「つい完璧主義になんでもこなさなきゃ!」と考えてしまう人はその考えをやめて、「完璧なママ(パパ)」ではなく「幸せなママ(パパ)」を一番に目指しましょう。


そして、過度な期待をしすぎないこと。

「ごはんを全部食べて欲しい!」というのも含めて、ああして欲しい、こうして欲しい。そういった期待を抱く気持ちはわかります。


ですが、それが子供にプレッシャーになっているのだとしたら、その期待は逆効果です。


またさらに言えば、期待を裏切られた時に人はどっと疲れます。

なので、期待する事が多くなればなるほど、毎日の元気を保つ事は難しくなっていきます。


だからたとえば、ごはんを作る時だとしても、「どう、美味しい?」などと迫ってプレッシャーを掛けるのはもってのほかですし、「食べてくれなくても良い」究極的には「元気に生きてくれさえすればいい」くらいの気持ちになれれば最高です。

まとめ

いかがでしたか?

子供の問題と真剣に向き合うと、親としても人間としても確実に成長する事ができます。

つまり、子供は色んな問題を通して、親にさまざまな成長のキッカケを与えてくれているわけです。

そのような気持ちを持てたら、子供が持ってきてくれるさまざまな問題にも感謝できるようになりますね。


今回の記事が、少しでも参考になれば幸いです。


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