子どもが食べ物を吐き出す7つの原因と対策

子どもが食べ物を吐き出す7つの原因 子供がごはんを食べない
この記事を書いている人
山口健太
食べない子専門の食育カウンセラー

「人前での食事ができない」という会食恐怖症の当事者経験から、カウンセラーとして年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、500人を超える子どもたちと交流し「食べない子への食べさせ方」を研究。

多くの食育に悩む保護者や教育者から相談が届くようになる。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉(辰巳出版)』などがある。

小さい子どもが食事中に食べ物を吐き出した時に、ついイラっとしてしまうことはよくあるのではないでしょうか?

あるいは、なぜそんな事をするのかは分からずに、不安に感じたりすることもあるかもしれません。

今回は、「子どもが食事を吐き出す7つの原因と対策」について解説していきます。

吐き出すのはわざとなのか?

普段をカウンセリングをしていると、「わざと吐き出します」という相談が届くことがありますが、そもそも子どもは食べたくないものをわざと吐き出すのでしょうか?

確かに”意図的に”という意味では「わざと」吐き出すことはあります。

ですが、それは大人を困らせるためや、嫌がらせのために吐き出しているわけではなく、ピンチのサインとして吐き出していると認識することが大切です。

「2歳9ヶ月の息子がの歯ごたえのあるような肉類が苦手で、噛んでも吐き出します。」

そういった声を前に頂きましたが、これは「奥歯でのすりつぶし」が出来ないからであって、それを言葉ではうまく説明できないからこそ、吐き出すという形でサインを出すのです。


それ以外のものも何でも吐き出しますというのは、「もう食べくない」というサインだったり、「口に物を出し入れして遊んでいるだけ」のこともあります。

そこで強く叱ってしまうと、小児摂食障害や嘔吐恐怖症にも繋がることがあるので、注意してくださいね。


では、どうすれば良いのかを理解する為に、もう少し詳しくみていきましょう。

子どもが食べ物を吐き出すには、「発達の問題」と「精神的な問題」の大きく分けて主な2つの原因。それぞれをもう少し詳細に分けると、7つの問題があります。

1.発達の問題

そもそもの話として、人がものを口に入れてから食べるまでには、「3つのプロセス」があります。


その3つのプロセスというのは、
  1. 咀嚼(歯でかみかみ)
  2. 送り込み(舌を使って噛んだものを喉元へ)
  3. 嚥下(喉でごっくん)
です!


そしてこれらは、それぞれに発達段階があり、少しずつサポートをしていくことが大切です。

発達する順は、嚥下→送り込み→咀嚼となりますので、その順番で以下より対策まで書いていきます。

原因1.嚥下


発達段階1:よく誤嚥をしてしまい食事にならない(状態)→嚥下の状態に何か問題があるかもしれない(理由)→お医者さんに相談する(対策)

発達段階2:サラサラの水分コップでは水分を取れない→まだ嚥下に慣れていない→とろみを少しずつ減らしていきながらコップの練習をしていく(※哺乳瓶→スプーン→レンゲ→コップというように、飲み口が広がるほど難しさが増します。)

発達段階3:哺乳瓶などからしか水分を取れない→嚥下の仕方がまだ未発達→哺乳瓶からミルクを摂取する回数を減らして、スプーンからの摂取の練習をしていく

原因2.送り込み


発達段階1:ミルクなど液状の近いサラサラしたもの以外は食べにくそう(状態)→舌をうまく動かすことができない(理由)→液体のものをベースに粒のないペースト状のものから慣らしていく(対策)

発達段階2.おかゆや少し粒のあるものが食べにくそう→舌の力が弱く口に入れたものを動かしにくい→とろみ剤を使ったり少し粒のあるものを挑戦していく

発達段階3:煮物やバナナや豆腐などが食べにくそう→舌で固形物を潰せない→柔らかい煮物などを発達に合わせて挑戦させていく

原因3.咀嚼


発達段階1:舌が動かない、アゴが上下に動かない、丸呑みしてしまう(状態)→基本的な咀嚼の動きができていない(理由)→お母さんがアゴを持って上下にうごしてサポートしてあげたり、そのまま飲み込んでも大丈夫な食材を前歯の上に乗せてあげて歯を使って基本的な咀嚼の練習をしていく。(対策)

発達段階2:おせんべいやりんごなどの硬いものが食べにくそう→奥歯でうまく噛めていない→奥歯を使う練習として「奥の方でカミカミしてみて」などと声を掛ける。(後に解説する「ガーゼ食」での練習も有効。)

発達段階3:炒めたお肉や生野菜などの繊維のあるものが食べにくそう→すりつぶしがうまくできていない→すりつぶしの練習として「ガーゼ食」で練習する


※それぞれの発達段階は1→2→3と進むのが通常ですが、たまに「特定の食感・感覚が苦手」などもあるので、全てが順番通りにいくわけではありません。

練習用のガーゼ食とねりむすびの作り方

たとえばよくある相談の「お肉を吐き出しちゃう」は、咀嚼の発達段階3になります。

こういった場合は、食前や食後などで余裕があるときに、「すりつぶし」の練習をしていくのがオススメです。

やり方としてオススメなのは、いつもなら食べられないお肉やお野菜のスティック等をガーゼに包んで、お母さんがそれを子どもの口の中に入れて、「ガーゼのお肉・お野菜カミカミ」の練習をしていきます。

ガーゼに包むことで、形を整えてなんども練習できますし、お母さんがガーゼを持ちながらやることで誤飲を防げるのです。

以下よりガーゼ食の作り方となります。

①煮汁を作ります。水250cc,醤油25cc,砂糖20gを沸騰させます。

②お肉や野菜を1cm角、長さ10cmほどのスティック状に切ります。

③沸騰した煮汁にスティック食を入れて、10分ほど煮ます。

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④スティック食材を煮汁から取り出します。(お肉はだいぶ縮むので注意。)

⑤食材を包めるほどのガーゼを用意し、煮汁に一度浸します。

⑥食材をガーゼで包めば完成です。

ちなみに噛むとこのように潰れるので…

指でまた噛みやすいように形を戻してあげると、繰り返し練習できます。

また、「白米を吐き出しちゃう」という相談も多いですが、白米は口の中に入れると、ばらけるので噛みにくにいからです。

そういった場合は、ごはんの粒を潰して棒状のおむすび(ねりむすび)にしてあげると、口の中でばらけずに噛みやすくなります。

以下より「ねりむすび」の作り方です。

①ごはんの粒同士がくっつくように潰します。

②棒状におむすびをつくります。

③完成です。なるべくごはん粒がくっつくように①の潰しを丁寧に行うのが大切です。

これらの作り方は、私も大変お世話になっている藤井葉子先生の『発達障害児の偏食改善マニュアル』という書籍を参考にしています。もしよければこちらの本も読んでみてください。

2.精神的な問題

次は、精神的な問題についてです。

精神的なストレスやプレッシャーを感じていると、子どもだけに限らず人間は「食べ物を吐き出す」ということがあります。

さて、それは何故なのでしょうか?

原因4.嚥下機能の低下

まず一つは、強いストレスやプレッシャーを感じると、交感神経優位になり「嚥下機能(食べ物を飲み込む力)」が低下するからです。

たとえば大人でも「緊張する仕事の前に食事が喉を通らなくなった」という経験をもつ人が多いと思います。これはその最たる例といえるでしょう。

この場合は、「食べたいと思っていても、食べられない」というような状況なので、リラックスさせるような環境づくりや声かけをしてあげることが大切です。

原因5.消化機能の低下


また、強いストレスやプレッシャーを感じると、消化機能(主に腸)の機能が低下したり、体質によっては胃袋が収縮します。

特に、「食べるのが遅い子どもにはどう対応すべきか?【4つのタイプ分け】」という記事なども解説していますが、どちらかというと痩せ型、色白、外では控えめな性格…などの子は、特にその傾向が強いと言えます。

原因6.嘔吐の条件付け


また「給食ですぐ吐いてしまう子どもにはどうしたらいい?」という保育園からの相談。」という記事でも書いていますが、吐き気というものは、不快な感情に耐えられなくなった時に、脳幹の嘔吐中枢を刺激される事によって起きます。

これは簡単に言うと「何か嫌な事に対する拒絶反応として吐き気が出る」という事です。

詳しくはそちらの記事を読んでみてください。

原因7.食べ物で遊びたいなど、他の原因。

また、食べ物を口に入れて遊びたいだけだったりなど、他の原因であることもあります。

「明らかに遊んでいるな」と感じた場合は、必要以上に反応的にならずに、食事を目の前からさっと取り上げるという冷静な対応が大切です。

対策のまとめ

さて。以上の7つの原因を挙げて解説してきました。

復習すると、
  1. 嚥下
  2. 送り込み
  3. 咀嚼
  4. 嚥下機能の低下
  5. 消化機能の低下
  6. 嘔吐の条件付け
  7. その他
でした。


「発達の問題が大きい」と思う場合は、無理に進めるのではなく、少しずつ次のステップにいけるようにサポートしていくことが大切です。

一方で「精神的な問題が大きい」と思う場合は、食事が楽しいというイメージを作っていくことが大切です。


できる範囲から、意識してみてくださいね。

また、こちらの記事もオススメですので読んでみてください。

「給食ですぐ吐いてしまう子どもにはどうしたらいい?」という保育園からの相談。

2018.11.11

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