先日、広島市西武こども療育センターなぎさ園さんに伺い、給食の現場の見学や、管理栄養士の藤井葉子先生にお会いし、偏食対応のキモを教わってきました。
本記事では、そこで感じたことを書いていきたいと思います。
なぎさ園とは?
「広島市西部こども療育センターなぎさ園」さんは、食育(特に偏食対応)や発達障がいに関心のある方の中では結構有名な場所です。「自閉症の対応偏食レシピ」という資料をネットでも公開しており、偏食対応の勉強をしたことがある人は必ずと言っていいほど、これは一度は見たり聞いたりしたことのあるものです。
管理栄養士の藤井葉子先生は『発達障害児の偏食改善マニュアル』という本も出版し、こちらも大変素晴らしい内容になっています。
そんな中、運よく今回伺うことができ、園での給食の様子や、藤井先生と直接お話して色々教えてもらいました。
今回は取材という目的で行ったわけではなく、個人的な勉強のために行ってきたことなのですが、少し感じたことをシェアしたいと思います。
コミュニケーションの大切さ
保育園にはよく行きますが、その時に私が一番着目しているのは、担当の保育士さんが食べない子に対してどのようなコミュニケーションを取っているか?です。なぎさ園でも、たとえば「これな〜んだ?」とクイズ形式で子どもに聞いて、「キュウリ!」と興味を引き出してから食べてもらうようにしている工夫などが見られました。
当然、無理をさせることはしていなかったのですが、とある子だけは結構強引に口の中に入れていたので、「けっこう強引に口の中に入れてますけど、あれは大丈夫なんですか?」と気になり質問をしたところ、「口の中に直接入れるサポートをしてあげることで、食べられる子もいる。」と教えてくれました。
また、「実際に間近で食べ物を見て判断する子もいるので、その子には目の前で一度しっかり見せることが大切」と、個別対応が徹底されていました。
咀嚼などが未発達な子には「子どもが食べ物を吐き出す7つの原因と対策」の記事でも紹介している、ガーゼ食などで子どもの発達のサポートをしてあげたりなど、丁寧に「食べられない」→「食べられる」のサポートが行われていました。
間食のコントロールが大切さ
給食の様子を見終わった後は、藤井先生が直接半日近くも掛けて、マンツーマンのような形で偏食の対応について色々と教えてくれました。その中で印象に残ったのが、「間食のコントロールがいかに大切なのか」という話です。
偏食が治っていき色んなものに自分から手を伸ばすようになるのには「苦手なものを食べられるようになる」以前に、「好んで食べるものの量を減らして摂取カロリーに”あき”を作ることが大切」ということが、とてもよく分かりました。
また、本などネットでの情報はテキストベースなので、なかなかその部分の大切さが伝わりにくいんだなと感じました。
カリカリ食
なぎさ園さんと言えば、「カリカリ食」が有名です。
このようにカリカリに揚げることで、苦手な野菜を食べてくれる子どもが増えるということです。
これは藤井先生が「じゃがりこが嫌いな子どもっていないよな〜。…野菜もこんな風に調理したら食べられる子が増えるんじゃない?」と、ふと思いついたそうです。
実際に私も食べてみましたが、感想としては、思ったより塩味が濃かったので、お菓子感覚で食べられるためにそれが良いんだなと感じました。
カリカリ食は最初から食卓に用意せずに、ある程度時間が経ってから食卓に並べるのがコツだということも、実際に給食現場を見てよくよく分かりました。
「百聞は一見に如かずとは、まさにこのことだなぁ」と、なんども感じた広島での学びでした。
著書など
お読みいただきありがとうございました。以下に、なぎさ園さんのホームページや藤井先生の著書を紹介しておきます。
・なぎさ園ホームページ
・自閉症の対応偏食レシピ(資料)
・発達障害児の偏食改善マニュアル(著書)
最後に、丁寧に対応いただいた藤井先生はじめ、なぎさ園の皆様、ありがとうございました。
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