【偏食の治し方】ご飯しか食べない子どもにはどうすれば?自閉症の娘が「野菜も食べたい」と言うようになるまで(管理栄養士の小林浩子さんと対談)

事例紹介
この記事を書いている人
山口健太
一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会理事長/心理カウンセラー/食事指導コンサルタント
会食恐怖症の当事者経験から、カウンセラーとして年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、半年間で400人を超える子どもたちと交流し食事指導を研究。

また、日本全国の学校法人の管理者以上の方が購読している「週刊教育資料(教育公論社)」にて、「これからの学校給食における食事指導について」のコラム記事の連載経験があり、給食ハラスメントに関する報道について、専門家として複数回取材を受けている。

著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと(内外出版社)』などがある。

「○○しか食べないのですが、どうすれば良いでしょうか?」

これは親御さん保育士さん等から、よく頂く質問の一つです。


ちなみに「ご飯しか食べない」、「おかずしか食べない」、「ミートボールしか食べない」などの「○○しか食べない」というのは、自閉症(自閉症スペクトラム)傾向にある子に多い悩みです。


そこで今回は、発達凸凹アカデミーの食事療法の講師。管理栄養士で自身の娘さんが自閉症で超偏食に悩まされた、小林浩子さんと一緒にこの問題解決のヒントをお伝えしていきます。

どうぞよろしくお願い致します。

小林さん
よろしくお願いします〜!

小林さんの子どもの話〜自閉症の娘の超偏食〜

まず、小林さんのお子さんも自閉症で、超偏食に大変悩まされたとの事でしたが、具体的にはどのような感じだったのですか?
小林さん
はい。まずわたし自身が元々、管理栄養士として保育園で働いていました。

そして結婚し念願の娘が誕生したのですが、娘が自閉症からの”超偏食”で、具体的に言うと幼児期などは「白いものしか食べない」というような状況でした。
まさに「○○しか食べない」という状況だったのですね。
小林さん
はい。わたしは管理栄養士ですし、料理の腕にも結構自信があったんです。美味しく楽しい食事は、元々私の得意としてきたことだったのです。

しかし、その自信は見事に打ち砕かれました。

たとえば、美味しい具沢山のうどんをつくっても、うどん以外の食材は全て弾かれて食べてくれない…。娘は冷凍のグラタンが好きだったので、それなら!と思い、気合を入れてグラタンを作っても「お母さんの作ったのはなんか違う!」と言われて食べてくれない…。一生懸命料理を作っても「インスタントラーメンの方が美味しい」と言われてしまう…。

しまいには「親であるわたしがダメだから、食べてくれないんだ…。」と、自分を責めてしまっていましたし、頑張れば頑張るほど疲弊していくような状況でした。
なるほど、それは親として大変辛いですね。

偏食が治ってきたのは何故?

ちなみに今は、どういう状況なのですか?
小林さん
はい。実は食べられるものが次第に増えています。今中学生なのですが、最近は「野菜を食べられるようになりたい!」と、娘が自分から挑戦しているような感じです。
すごい変化ですね!どうやって食べられるようになったのですか?
小林さん
一言で言えば、「偏食への対策をやめた」のです。

昔はやればやるほど、うまくいかず、自分を責めて落ち込んでしまっていました。料理を作るのがあんなに好きで仕事にまでしていたのに、苦痛になった時期もありました。

なので、「自分が料理を楽しむ」という原点を思い出して、とにかく自分が楽しんで料理を作る。そしてそれを娘が食べなかったとしても、責めたり、落ち込んだりしないようにしたのです。
なるほど!それで食べられるようになったのはよく分かります。

3つのしすぎについて

私は子どもがごはんを食べなくなる原因として「大人の3つのしすぎ」があると思っています。

それは、
  1. プレッシャーのかけ過ぎ
  2. イライラしすぎ
  3. 心配しすぎ
という3つです。
小林さん
あー、めちゃくちゃよくわかります!!!
要は自然な食欲っていうのは、空腹だけでは出てきません。(cf.「食欲の仕組み」について)

空腹のときに、リラックスしている環境で過ごすから、自然な食欲が出るのです。


そこで大人が「食べろ!」とプレッシャーをかけ過ぎたり、イライラしすぎたり。

あるいは「なんで食べないんだろう・・・」「このままだとこの子はどうなるんだろう・・・」と、不安になったり心配しすぎると、そのネガティブな感情は移るんですよね。


だから子どもは食欲も出ないし「苦手なものに挑戦しよう!」という、前向きな意欲も無くなると考えています。
小林さん
すごい分析力ですね。私も全く同感です。

よくある偏食対策の盲点〜フードチェイニングについて〜

もう少し偏食の対策についてお聞きしますが、普通偏食対策というと「今食べられているものから、少しずつ派生させていく」という方法が取られたりしますよね。

具体的に言うと、例えば「ご飯しか食べない」という場合は、

  • ご飯の風味→お米のにおい
  • ご飯の味覚→お米独特のあまさ
  • ご飯の食感→ぐにゃっとやわらかい
  • ご飯の見た目→白い
  • ご飯の温度→あたたかい
という風に分析した上で、

「じゃあ他の白いものだったら食べるかな?」
「おはぎとかは食べてくれるかな?」
「他の柔らかいものはどうかな?」


というように調整して、食べさせてみるというものですが。
小林さん
ありますね。それは「フードチェイニング」と言います。日本では未だあまり情報が少ないですね。
一応、効果があると言われていますが、実際はどうなのでしょうか?
小林さん
わたしは「出来る余裕があるならやってみては?」というくらいで、特別オススメはしません。

なぜなら、実体験からも言えるのですが、親がそれを毎食でやろうとすると、大変疲れるのです…。

それでは、ごはんを作る事が楽しみではなくなってしまう可能性が高く、もし本格的にやるのであれば専門的な機関に頼ったりとか、あくまで参考程度にしておくべきだと思います。


自分の家でも本格的にやりたい!という方は「広島市西部こども療育センター食育研究会」さんのホームページを参考にしていただけると、詳しく分かるのではないかと思います。


しかし、先ほどもお伝えしたとおり、わたしの娘の超偏食は「偏食対策をやめて、親であるわたし自身がまず毎日を楽しむ事」で解決していきました。なので、その点の大切さはお伝えしたいですし、自分を責めることだけはしてほしくないと思います。
なるほど。手放して、あたたかく見守る姿勢が大切という事ですね。

まとめ

いかがでしたか?


今回の要点を一言でまとめると「大人が楽しく過ごしていれば、子どもの食べる意欲は湧いてくる」という事かと思います。

ぜひ、参考にしていただければ幸いです。


それでは小林さん、本日はありがとうございました!
小林さん
こちらこそ、ありがとうございました!
小林さんの紹介リンク:
【発達障害の食事・偏食専門】ハッピー食卓プラネット
(※ぜひ、一度訪問してみてくださいね!)

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