「○○しか食べないのですが、どうすれば良いでしょうか?」
これは親御さん保育士さん等から、よく頂く質問の一つです。
ちなみに「ご飯しか食べない」、「おかずしか食べない」、「ミートボールしか食べない」などの「○○しか食べない」というのは、自閉症(自閉症スペクトラム)傾向にある子に多い悩みです。
そこで今回は、発達凸凹アカデミーの食事療法の講師。管理栄養士で自身の娘さんが自閉症で超偏食に悩まされた、小林浩子さんと一緒にこの問題解決のヒントをお伝えしていきます。
どうぞよろしくお願い致します。
小林さんの子どもの話〜自閉症の娘の超偏食〜
まず、小林さんのお子さんも自閉症で、超偏食に大変悩まされたとの事でしたが、具体的にはどのような感じだったのですか?そして結婚し念願の娘が誕生したのですが、娘が自閉症からの”超偏食”で、具体的に言うと幼児期などは「白いものしか食べない」というような状況でした。
しかし、その自信は見事に打ち砕かれました。
たとえば、美味しい具沢山のうどんをつくっても、うどん以外の食材は全て弾かれて食べてくれない…。娘は冷凍のグラタンが好きだったので、それなら!と思い、気合を入れてグラタンを作っても「お母さんの作ったのはなんか違う!」と言われて食べてくれない…。一生懸命料理を作っても「インスタントラーメンの方が美味しい」と言われてしまう…。
しまいには「親であるわたしがダメだから、食べてくれないんだ…。」と、自分を責めてしまっていましたし、頑張れば頑張るほど疲弊していくような状況でした。
偏食が治ってきたのは何故?
ちなみに今は、どういう状況なのですか?昔はやればやるほど、うまくいかず、自分を責めて落ち込んでしまっていました。料理を作るのがあんなに好きで仕事にまでしていたのに、苦痛になった時期もありました。
なので、「自分が料理を楽しむ」という原点を思い出して、とにかく自分が楽しんで料理を作る。そしてそれを娘が食べなかったとしても、責めたり、落ち込んだりしないようにしたのです。
3つのしすぎについて
私は子どもがごはんを食べなくなる原因として「大人の3つのしすぎ」があると思っています。それは、
- プレッシャーのかけ過ぎ
- イライラしすぎ
- 心配しすぎ
空腹のときに、リラックスしている環境で過ごすから、自然な食欲が出るのです。
そこで大人が「食べろ!」とプレッシャーをかけ過ぎたり、イライラしすぎたり。
あるいは「なんで食べないんだろう・・・」、「このままだとこの子はどうなるんだろう・・・」と、不安になったり心配しすぎると、そのネガティブな感情は移るんですよね。
だから子どもは食欲も出ないし「苦手なものに挑戦しよう!」という、前向きな意欲も無くなると考えています。
よくある偏食対策の盲点〜フードチェイニングについて〜
もう少し偏食の対策についてお聞きしますが、普通偏食対策というと「今食べられているものから、少しずつ派生させていく」という方法が取られたりしますよね。具体的に言うと、例えば「ご飯しか食べない」という場合は、
- ご飯の風味→お米のにおい
- ご飯の味覚→お米独特のあまさ
- ご飯の食感→ぐにゃっとやわらかい
- ご飯の見た目→白い
- ご飯の温度→あたたかい
「じゃあ他の白いものだったら食べるかな?」
「おはぎとかは食べてくれるかな?」
「他の柔らかいものはどうかな?」
というように調整して、食べさせてみるというものですが。
なぜなら、実体験からも言えるのですが、親がそれを毎食でやろうとすると、大変疲れるのです…。
それでは、ごはんを作る事が楽しみではなくなってしまう可能性が高く、もし本格的にやるのであれば専門的な機関に頼ったりとか、あくまで参考程度にしておくべきだと思います。
自分の家でも本格的にやりたい!という方は「広島市西部こども療育センター食育研究会」さんのホームページを参考にしていただけると、詳しく分かるのではないかと思います。
しかし、先ほどもお伝えしたとおり、わたしの娘の超偏食は「偏食対策をやめて、親であるわたし自身がまず毎日を楽しむ事」で解決していきました。なので、その点の大切さはお伝えしたいですし、自分を責めることだけはしてほしくないと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回の要点を一言でまとめると「大人が楽しく過ごしていれば、子どもの食べる意欲は湧いてくる」という事かと思います。
ぜひ、参考にしていただければ幸いです。
それでは小林さん、本日はありがとうございました!
【発達障害の食事・偏食専門】ハッピー食卓プラネット
(※ぜひ、一度訪問してみてくださいね!)
この記事を読んだ方は「なぜ、子供の偏食(好き嫌い)は起きる?工夫すべき7つのポイント」も読んでみてください。